雑なにっき

メモがわりに長めのつぶやきをしています。

友人と語彙力

最近インターネットで「語彙力がない」という人を多く見かける。そして自分も言ってしまう。

だって、美味しい時は「おいしい」としか言えないし、すごい時は「超すごい」としか言えない。

「大した語彙力を持っているわけではないけど世の中には素敵なものがたくさんあるから、それに見合った言葉で表現したい」

と思うとやはり圧倒的に語彙力が足りない。語彙力は「おもてなし」だと思う。

自分の場合になるが、

「語彙力ない」

といった場合に、その言葉には

「語彙力ない(訳:自分程度の貧困な語彙力では語りつくせないくらいに尊さを持っていて、その魅力を伝えたい、教えたいが私の表現力じゃとても無理。いいから見てor行ってor食べてetc)」

と、カッコ書きでここまでの意味合いを含んでいたりする。
ネットでは「語彙力がない」という言葉は常套句みたいになっていて、実際私の周りは「語彙力がない」って言ってる人たちに限って豊かな表現力を持っている人が多い。

 

…話したいと思っていたことから話がそれてしまった。

 

そんな「語彙力」なんだけど、最近、私の10年位の付き合いになる友人が「ガチで語彙力ないかもしれない」と思うようになってしまった。

 

友人が自分以上に語彙力ないかもしれない

友人はたいてい、すごく良いと思った景色とかをジブリかディズニーに例える。

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東京駅を見て、「ディズニーランドみたい」と言っていた。これはすごくわかる。確かに東京駅はミラコスタっぽい。

 

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明治神宮の自然を見てジブリっぽい」を連呼していた。これもまぁ、ギリわかる。きっとトトロとか、そういう世界観なんだろう。ちなみにこの「ジブリっぽい」というのは友人の口癖みたいなもので、会う時に必ず一度は発する言葉である。

 

そしてこの間、ついに事件が起きた。


友人が雑貨屋さんに飾られた「南米の楽器」(たぶん)を見て、「ジブリに出てきそう」と言っていた。


さすがに「それはない」と思った。自分の無知だったら申し訳ないが、南米が舞台のジブリ作品はなかったはずだ……。

 

そしてその後、アニメ作品の設定資料集をパラパラとめくって原画を見て、「こういうのジブリで見た。ジブリっぽい」と言っていた。


そう、素敵な景色も、見慣れない楽器も、彼女の基準は「ジブリ(もしくはディズニー)」なのだ。原画はジブリ作品じゃなくてもあるよ。多分私がすぐ「すごい」って言っちゃう語彙力なのに対して、彼女はすぐジブリっぽい」って言っちゃう語彙力なんだ。

3文字と6文字か。明らかに彼女の方が語彙力あるじゃん。

 

ここまで書いて思ったけど、彼女もしかしたら世間知らずなだけかもしれない。

旅行で連泊すると、外出中に部屋の清掃がはいることに感激してた。ナス漬けにカラシが添えてあるのを見て「珍しい」って言ってた。あと銅像があると、「ねえねえあれ誰?」っていちいち聞いてくる。「知らんがな」と思いつつも銅像に近づいて説明を読もうと思ったら、「ねえねえどこ行くの?駅そっち?」って聞いてくる。お前ー! 数分前の発言を忘れるなー! 彼女は普段私が「当たり前」だと思っていることにいちいち目を輝かせることができるのだ。私はそれは才能だと思う。

 

そんな彼女とは青春を共にした友達で、大学近くの大きい公園の芝生に寝転んで語ったり、「星見よう」とか言って公園で野宿しようとしたことあったな。寒くて帰ったけど。思ったことをすぐに口にしちゃうから、映画とかは一緒に行きたくないタイプだけど、彼女にはいつもワクワクさせられっぱなしだ。

次はどこで「ジブリっぽい」という発言が出てくるかを楽しみに待っている自分がいる。