存在が希薄という個性を楽しむ
わたしは「生き物」感が他の方に比べると希薄らしい。
思えば昔から電柱とかサルスベリのブーメランとかバス停といった無機物に似てると言われるし、自動ドアのレスポンスが遅いといった症状がでていた。これもそのせいなのかもしれない。
「亡霊系女子」っていうなんか不名誉な称号がついたこともあったし、とはいいつつこのちょっも希薄な存在感を個性と捉え、楽しんでる自分がいた。
あと、わたしは影の薄さを自由に薄くさせることができる(多分)。昔、背景に同化する想像をすると自分の体が見えなくなるのでそれで悪人をやり過ごす、という夢を見て以来、コンビニの前にヤンキーがたまってる時や、エレベーターでカップルと自分だけになってしまった時など、透明人間になりたい時は背景に同化する想像をしてやり過ごしている。本当に効果があるのかは知らない。
そんなわたしは普通にしてると大人しい性格だと思われがちなので、せめてイメージだけは明るくしようと髪の毛を茶色に染めていたが、この間写真を撮ってもらったものを見たら、自分でも幽霊っぽく感じて、あぁ、髪色って関係ないんだなって思った。
ならば、と思い最近、気心知れた美容師さんに「幽霊っぽくしてください」って言って暗めに髪を染めてもらったついでに10センチくらい髪を切った。
今まで美容院の次の日に職場に行っても基本気づいてもらえないんだけど、それはいつも現状維持していたからで、10センチも切ったらさすがに気付いてもらえるだろうと思ったら見事に気付いてもらえなくて「逆にすげえ」と思った。「存在感が希薄」という才能なのかもしれない。
わたしの友人に、わたしの200倍くらいに存在感がある友人がいる。その友人はわたしの200倍くらい人から見てもらえていそうなのに、「自分のしたことが評価してもらえない」「上の人は自分を見てくれない」と言う。
彼女でさえ見てもらえないと感じているのであれば、わたしはもっと、道ばたの石ころぐらいにしか思われてないかもしれないなと思った。
それでも、「存在感が希薄」なりに毎日楽しく暮らしています。